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V.S. Ramachandran

Phantoms in the Brain: Probing the Mysteries of the Human Mind Phantoms in the Brain: Probing the Mysteries of the Human Mind

著者:V. S. Ramachandran,Sandra Blakeslee
販売元:Quill
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自分が意識を研究したいと自覚するようになったきっかけは、Journal of Consciousness Studies という雑誌に、ラマチャンドランが書いてた、クオリアについての論文を読んだことだったとおもう。

当時は、哲学的な問題というのはすべて脳の問題になって科学的に探求するものになるだろうと直感的に感じていたが、まだクオリアという言葉に出会っていなかったから、その直感を表現することはできなかった。クオリアという言葉と出会ったことは、脳科学をそれまでやりたいと思っていたのは、これだったのかという人生で最も印象深い経験だった。

それでラマチャンドランのことを知りPhantoms in the Brain を読み始めた。当時、私はこれから科学者として上を目指すために、興味のある本はできるだけ英語で読むようにしていた。いまでも、この本のあちこちに、辞書を引いた後や、アイデアの書き込みがあって思いで深い本だ。

人類の存在に関わる重要な問題が、世界には三つある。宇宙がどうやってできたのか、地球に生命がいかにして生まれてきたか、そして、脳からいかにして意識が生まれてくるのか。意識というのは、これらの科学にとってのファンダメンタルな問題の一つなんだっていうパッセージを読んで、意識を研究するぞって決心したのをいまでも覚えている。

すごく人間の核心にせまる深い内容をもっているのに、ものすごく楽しんで読めるところがすばらしい。実際、学会とかでのトークはまるでコメディーのショーをみているようだ。

個人的な意見では、最近のラマチャンドランはSynesthesia (共感覚)とかばかりで、あまり面白くない。ラマチャンドランにかつて興奮した一方で、これからラマチャンドラン式のアプローチで、新しい発見はそれほど出てこないかもしれないとも思っている。一般の人々までを興奮させるようなおもしろいアイデアと現象を見つけることは、難しくなっているように思えるからだ。それでも、ラマチャンドランの文章力には圧倒的なものがある。

二冊目の本も読んだが、一冊目と割と重なっていてそれほど興奮はしなかった。


Brief Tour of Human Consciousness: From Impostor Poodles To Purple Numbers Brief Tour of Human Consciousness: From Impostor Poodles To Purple Numbers

著者:V. S. Ramachandran
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Current Biologyでのインタヴューで、「いままでで最もよかったアドヴァイスはなんですか?」と聞かれて、それはフランシス・クリックからのアドヴァイスだとこたえている。その内容がこれ。

(転載開始)

First, the importance of sheer intellectual daring — chutzpah. It is better to tackle ten fundamental problems and solve one than to tackle ten trivial ones and solve them all! Fundamental problems are not necessarily more inherently difficult than trivial ones. Nature is not conspiring against us to make fundamental problems more difficult.

Second don’t become trapped in a small, specialised cul-de-sac just because you feel comfortable or your immediate peers reward you for it. Don’t strive for approval from the majority of your colleagues, but only for the respect of those few exceptional people at the top of your field whom you genuinely admire. And never listen to ‘experts’ — recall how both Erwin Chargaff and William Bragg strongly discouraged Crick from pursuing DNA!

(転載終了)

「重要な問題に対する答えを見つけることが、必ずしも、どうでもいい問題に答えるより難しいとは限らない。」というところがいい。

 

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