« オランダ | トップページ | 更新:日本帰国マニフェスト »

変化するNCC

なんでノーテボームの本が、意識の問題と関係あるのかを書いている途中だった。

その前に、ここでどうしても紹介しておかなければならない論文がでた。

Maier, Logothetis & Leopold (2007)

どういう問題意識かというと、binocular rivalryなどで主観的知覚に応じて発火頻度を変化させるニューロンがあることが知られているが、それらのニューロンは知覚とは関係なく入力刺激に応じて発火頻度を変化させるニューロンと何が違うのかということだと思う。あるいは、同じニューロンがコンテクスト(刺激条件)に依って、NCCの一部になったり、NCCではなくなったりするのかという可能性もある。

この論文では、MTでは知覚に応じた反応を示すニューロンが、binocular rivalryのペアの組み合わせ次第で変わる、ということが発見された。これは、NCCを探し求める人にとっては、とんでもないことだ。NCCに対応する特殊なニューロンがあるようなことを想定している仮説には都合の悪い発見かもしれない。

それから、一種類の刺激だけでなく、複数の刺激のうちすくなくとも一つの刺激に対しては、ほとんどのMTのニューロンがなんらかのperceptual modulationを示している。これは、過去のデータが約半分のニューロンだけがperceptual modulationを示すということと照らし合わせると、かなり驚きだ。

ここから学ぶことは、NCCをsingle neuronに求めるよりも、networkとしてのneural assemblyの機能として考えるべきだということかもしれない。

ただし、perceptual modulationがあることイコールそのニューロンがNCCの一部という訳ではないだろう。もしかしたら、MTは主観的知覚を生み出すのに直接関与していない可能性もある。単に、その一歩手前だから、常に相関が高いというだけかもしれない。例えば、John Assadのグループのこの論文では、MT/MSTは主観的知覚に対応した反応はなくて、LIPではじめて対応しているということが示されている。

それにしても、このMaier論文はNCCについて考える上で、インパクトが大きい。


|

« オランダ | トップページ | 更新:日本帰国マニフェスト »

「論文紹介」カテゴリの記事

コメント

これはすごいことになってるな。

後一歩でノーベル賞の研究だったんじゃないか?
こういう実験されると勝てない気がしてくる。

さりげなく金井がacknowledgementされてるし。.


色々と、興奮させるペーパーだな。

これを読んでクリストフ・コッホは何て言うのか気になる。

flash suppression だから、過去のfiring historyがsuppression の影響が気になる。 このことが刺激の組み合わせによって、perceptual なニューロンを決定づけている可能性は無いか? (rivalry でも同じ結果になるのか?)

discussion の、attenition , choice probability についての件も気になる。
なるほど、確かに似たような数字がMTで出てくるな。

tuning が sharp なニューロンの影響がイチバン大きい、ってのは、
まさに、Jazeyeri & Movshon 2007 Nature が予測する通りじゃんか!
(あのペーパーのレヴューは書かないの?)


MTでmotionの研究するのが qualia に近づく一番の道だな
って、Ned Block 2005 と同じこと言ってる、、、

投稿: 土谷 | 2007年5月30日 (水) 19時01分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/207912/6582904

この記事へのトラックバック一覧です: 変化するNCC:

« オランダ | トップページ | 更新:日本帰国マニフェスト »