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Prefrontalのtemplate

すこし前の論文だけど、最近読んで自分にとってインパクトがあった論文がある。

Predictive codes for forthcoming perception in the prefrontal cortex by Summerfield et al. 2006 in Science

Medial prefrontal cortexに顔に反応する部位があるのだけど、この実験では写真をdegradeして何の写真だかわかりにくくした上で、画面上の写真が顔かどうかを判断するタスクをしているときにこの部位が活動を示すということが示された。FFAなどのように顔に反応する部位がprefrontalにもあるというのではなくて、prefrontalのこのエリアはトップダウンで顔をテンプレートマッチングしているのだと結論づけている。実験のデザインがエレガントなのも印象的だが、supplementalではleft lateral prefrontal cortexには同じように家のtemplate matchingをしている場所があることも示していた。

この論文の例のように、刺激選択性のある高次視覚野のような反応をみせるprefrontalのエリアが、タスク時にテンプレートとして機能しているという考えを、今までなんだろうと不思議だったprefrontalの反応に当てはめてみると考えさせられる(たとえば、このmotion direction selectiveなprefrontalのneuronと、Kaksas & Pasternak 2006)。

それから、もう1つ。
Unconscious activation of the cognitive control system in the human prefrontal cortex Lou & Passingham 2007

どういう実験かというと、タスクは呈示された文字に対して、phonological judgmentかsemantic judgmentをすることで、、どっちのタスクをするかは□か♢のどちらが呈示文字の前に呈示されたかで決まる。そのタスクを決めるシンボルがでる直前に□か♢が意識にのぼらないように呈示されていて、そのことによってタスクに対するプライミングがおきる。この実験パラダイムの面白いところは、プライムが見えてないときにしか、タスクに対するプライミングが起きないというところだ。

それで、fMRIでこのタスクに対するプライミングがどこで起きているかというのを調べた。phonologicalなタスクに関わる場所としてleft ventral premotor、semanticなタスクに関わる場所としては、left inferior prefrontalとleft temporal gyrusを選んで、それぞれの場所でプライムとタスクがcongruentだった場合とincongruentだった場合を、プライムがvisibleな場合とinvisibleな場合で比べている。そうすると、behaviorどうりプライムがinvisibleなときだけ、congruencyの効果がそれぞれの場所で見えるという話だ。

よく読むと、いいとこだけとってなんか微妙だなと感じさせるところはあるものの、見えない刺激がどこまで高次機能に影響を及ぼすことができるのかという文脈では面白い研究だ。Crick&Kochの昔の仮説だと、prefrontalに直接投射していることがNCCの条件だというのがあったが、prefrontalをactivateするだけでは意識にのぼらないという例としてHakwanの研究は意義があるだろう。タイトルの付け方からも、その辺をウリにしているようにも見える。でも、Kochの本では、一定時間持続的に活動することがNCCの条件だといっているから、プライミングのような一時的な活動の増加は、必ずしもprefrontalが重要でないという反例にはならないだろう。


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