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PublicatioinList.org

今日は、気がついたらカルテクにおいてあった自分のウェブサイトが消えていたから、新しいのを作ってどこかに引っ越さないとなと思って、あれこれ探していた。

それで出会ったのがこのpublicationlist.org. これは、pubmedからのxmlを拾ってくれて、自分のpublication listを作ったりしてくれる。かなり便利そうだ。ひとつ気になったのは、自分のサイトとかに埋め込もうとすると、有料になるところだ。DOIのリンクとかアブストラクトがすぐに読めることとか、便利なんだけど、1年間に9ポンド払いたいかというと、そうでもないかも。自分のラボがあって論文がたくさんある場合は、便利そうだ。でも、個人ではそこまで必要はないかも。登録してる人がまだ3000人ぐらいしかいないというのも驚いた。できたばかりなのかもしれない。

ためしに自分のを作ってみたら、こうなった。
http://publicationslist.org/kanair

なんていうか、最近ミーティングとかで新しい人と会うときとか、お互いに事前にサーチしあってることがほとんどだから、みんななんらかのウェブサイトがあったほうがいいと思う。面倒だけど。

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Transcranial Direct Current Stimulation (tDCS)

脳を外から刺激する方法として Transcranial Magnetic Stimulation (TMS)という手法があるが、それとは別に、もっと単純なtranscaranial direct current stimulation (tDCS)というのが割と注目を集めている。

単に頭に電極をつけて、数mAの電流を流すだけで、果たして本当に脳に影響があるのかと疑問だが、どうもほんとに効果があるようだ。

tDCSに関する最近のレヴューとしては、以下を参照。
Wassermann & Grafman (2005)

Wagner et al. (2007)

まず、おもしろいと思うのは、電極の極性によって効果が逆向きになることだ(例外もいろいろある)。たいていの場合、アノードは刺激部位の機能を高めて、カソードが刺激部位の機能を妨げるか効果がないというパターンが多い。さらに、機能があがっているという実験がたくさんあるところが面白い。

なんでこんな効果がそもそもあるのかというのも疑問だが、ニューロンの自発発火(あるいは反応性)のベースラインをシフトさせているのではないかと考えられている。Polarizationの単一ニューロンに与える影響についての古い論文が引用されている(Terzuolo and Bullock, 1956

tDCSを用いた視覚野に与える影響もいくつか研究がある。
Antal et al. (2006) たとえば、MTをターゲットにするとmotion aftereffectが弱くなるなんていう実験もあるAntal et al. (2004a) Antal et al. (2004b)

視覚の話では、おおざっぱな刺激で何かが変わってもそれほど一般の人が興味を持つような話にはならないだろうし、視覚の研究者にとってはおおざっぱすぎてそれほど科学として面白くないかもしれない。むしろ、学習能力が上がるとかそういう話を聞くと、自分でも勉強しているときに脳を刺激してみようかと思ってしまう。なにしろ、この刺激方法はお手軽だ。自宅でTMSをするのは難しそうだけど、tDCSならできる。

潜在学習の促進
Kincses et al. (2004)

ワーキングメモリーの促進
Fregni et al. (2005)

これはDCというよりはACだけど頭の外からの刺激で睡眠中の学習も促進することができる。
Marshall et al (2006)

さらには、個人のリスクをとる傾向(risk taking behavior)をバイアスすることまでできる。
Facteau et al. (2007)

tDCSはTMSに比べると刺激している脳の領域が広くて、正確にどこを刺激しているかよくわからないという問題があるから、脳の機能を詳細に調べようという研究には不向きかもしれないが、TMSに比べるとずっと日常的に利用可能な装置だから、実際に人間を助ける実用的なものになる可能性がある。

鬱病に対する効果なんかも調べられていて、病理についてはよくわからないが、本当に効果があればこれで助かる人も出てくるだろう。

もしかしたら、未来では状況に応じて一時的に脳の機能を高めるようなことが日常になるのではないかと想像をかき立てられる面白いテクノロジーだ。テスト前の学生とか、記憶力アップの刺激を脳に入れて勉強するようになるかもしれない。効果があるなら、自分でもやってみたいし、ちょっと試しにやってみようかと思う。ミーティングでアイデアを出し合うときに、発想力を高めるために発想脳を刺激して話し合ったら、いいアイデアがたくさん出てくるかもしれない。

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